主 催 公益社団法人全国和牛登録協会
運営団体 第13回全国和牛能力共進会北海道実行委員会
【最終比較審査】
会 期:令和9年8月26日(木)~8月30日(月)
会 場:種牛の部 北海道河東郡音更町 旧・ホクレン十勝地区家畜市場
肉牛の部 北海道帯広市 (株)北海道畜産公社十勝工場
出品頭数:種牛255頭、肉牛193頭、特別区27頭、合計475頭
【開催のねらい】
「能力共進会」の名称のもと、和牛の能力と一斉性の向上を目指す本共進会も、今年で13回目を迎えます。本共進会の特徴は、日常の登録事業を通じて、それぞれの時代の要求に応じた形で和牛改良を進めていくため、改良上のねらいを出品区の設定に盛り込み、本共進会に取り組むことによって、将来につながる優秀な素材を生産及び発掘し、これを出品展示することによって、その成果を確認し、全共後に引き継いでいくことにあります。
そのため本共進会では、開催のねらいに基づくテーマを掲げ、その実現に努めてきました。
これまでの共進会では
第1回(昭和41年・岡山県)「和牛は肉用牛たりうるか」
第2回(昭和45年・鹿児島県)「日本独特の肉用牛を完成させよう」
第3回(昭和52年・宮崎県)「和牛を農家経営に定着させよう」
第4回(昭和57年・福島県)「和牛改良組合を発展させよう」
第5回(昭和62年・島根県)「着実に伸ばそう和牛の子とり規模」
第6回(平成4年・大分県)「めざそう国際競争に打ち勝つ和牛生産」
第7回(平成9年・岩手県)「育種価とファイトで伸ばす和牛生産」
第8回(平成14年・岐阜県)「若い力と育種価で早めよう和牛改良,伸ばそう生産」
第9回(平成19年・鳥取県)「和牛再発見!ー地域で築こう和牛の未来ー」
第10回(平成24年・長崎県)「和牛維新!地域で伸ばそう生産力 築こう豊かな食文化」
第11回(平成29年・宮城県)「高めよう生産力 伝えよう和牛力 明日へつなぐ和牛生産」
第12回(令和4年・鹿児島県)「和牛新時代 地域かがやく和牛力」
いうテーマが設定され、それぞれ成果をおさめてきました。
前大会では第11回宮城県大会に引き継いで、全国の繁殖雌牛の分娩間隔を400日以内にすることを目標し、分娩間隔育種価を子牛登記証明書の備考欄に表示するなど、繁殖能力にかかわる情報の生産現場での活用を図りました。また、遺伝的多様性の確保において、地域の特色ある、和牛づくりを促すとともに、優良和牛の地域内確保に向けた取り組みの推進を行いました。さらに、テーマに掲げた「新和牛時代」において、新たな改良目標として、おいしいさに関係する「脂肪の質」の評価成分についても客観的評価指標を確立するなど、和牛肉の新な価値観の構築に向けての取り組みを展開しました。今回はこうした取り組みの定着とさらなる成果向上を目指し、開催テーマを「魅力発信 新しい力でつなぐ 和牛の未来」として、生産性や和牛の魅力の一層の向上を図るとともに、新たな和牛肉の価値観の定着を進めていきます。特に生産性の向上については、引き続き全国の繁殖雌牛集団における平均分娩間隔を400日以内にすることを目指し、分娩間隔の育種価の普及と定着を図るとともにDNAや外貌諸形質等の情報を活用した効率的な改良方法の確立と普及に取り組みます。
和牛を取り巻く環境が厳しさを増すなか、資源を有効活用した、効率的な和牛の生産・肥育の在り方が求められています。特に、飼料の利用性については重要な形質のひとつに挙げられており、飼養管理技術の向上とともに、遺伝的能力についても改良を進めていく必要があります。種雄牛においては、飼料利用性にかかわる指標として直接検定の余剰資料摂取量の育種価評価が行われており、DNA情報をを活用したゲノミック評価も行っています。余剰飼料摂取量は、肥育期間中の飼料効率との関連性も期待されていることから、育種価評価値およびゲノミック評価値の利用性を推進し、種雄牛側からの遺伝的能力の改良を図っています。
遺伝的多様性の維持・拡大については、将来の和牛生産を担保するための重要な取り組みと位置づけられています。それぞれの地域の飼育環境に適応し、代々保留されてきた特色ある系統や雌牛集団の活用を進めることは、遺伝的多様性の維持・拡大ばかりでなく、種牛能力の改良にもつながります。そこで、これまで進められてきた系統再構築や地域の特色ある牛づくりをさらに充実させていくとともに、優良雌牛の地域内保留を促進し、それぞれの地域に固有の遺伝資源の活用と確保に取り組んでいきます。
育種価を用いた選抜と、生産者の技術の研鑽により、和牛の肉量、肉質はともに高いレベルに達しています。今後は、新たな牛肉の価値観の定着を図るため、脂肪の質(一価不飽和脂肪酸(MUFA))の育種価評価体制の強化を進めます。また、粗脂肪と粗タンパク質のバランスが食味性と関連することから、牛肉の一般成分の光学測定を推進し、同じBMSNo.内での粗脂肪含量の多寡を示す粗脂肪含量相対値(RFV)をはじめとした客観的な評価指標の普及と美味しさの視覚化を目指します。
将来にわたって地域の和牛を支える担い手の育成について、前回大会では、特別区「高校及び農業大学校」を設定し、若い世代への技術継承と同時に、地域の和牛への理解を深めるきっかけとなりました。今大会でも引き続き特別区として設定し、学校教育のなかで畜産を学ぶ若い担い手の育成を図ります。
これらのねらいの実現にあたっては、育種組合・改良組合をはじめとする改良組織活動が大きな推進力となります。全共への取り組みを通じて、育種組合・改良組合の活性化を促すとともに、地域の特色ある牛づくりの推進と生産、改良意欲の増進を図ります。